これは天啓である。
ウマ娘アニメ2期を見よ
さすれば、トウカイテイオー沼への道は開かれん。
トウカイテイオーについて、
「ゲームやったけど、なんか元気な子だよね」
「Twitterで湿り気高いとか言われてるけど、そんなキャラかな?」
と思っている人向けです
トウカイテイオーって元気な子だよね!
ストーリーも楽しそう!
だ ま さ れ る な
トウカイテイオーは本当に元気ないい子だ。
いや、それに間違いはないから、騙すというと言い方が悪い。
しかし私は舐め切っていた。
「ほーん、トウカイテイオー、王道ないい子って感じで、アニメ2期は無難な感じになりそうやな」
と思って、流し見するつもりで見ていた。
油断するな、死ぬぞ
というわけでトウカイテイオーについて語る。
・ウマ娘トウカイテイオーとは
1期を見る限り、「元気っ子で、そんなに抱え込まないタイプ」という印象だった。
もちろん、「テキトーにやってる子」ではもちろんないし、一番を目指そう!という気概はあるものの、そんなに抱え込むタイプ(真面目過ぎて、勝とう勝とうとして悩むタイプ)ではないのかなと思っていた。
それで言うとアニメだけ観ればダイワスカーレットなんかもそんなに思い印象はないが。
少なくとも、「トウカイテイオーを雑に見れば、普通の元気な子」って感じだ。
これはゲームシナリオ(育成時のシナリオ)自体も、そんなに重めではなく、ゲームのストーリー(個別に見ることができる「ウマ娘ストーリー」のほう)までしっかり見れば多少その鱗片はわかるのだが、それでも「多少」である。
ウマ娘ストーリーで4話で悔しがるシーンはあるものの、一度くじけた、というくらいの印象。
まあハッキリ言って、重めの展開になるとは思わない。
・実際のトウカイテイオーの、激動の歴史
ここから実在したトウカイテイオーについて記述する。
一応、アニメやゲームもろもろは「現実のウマを知っていても楽しめる」設定となっているため、これが完全なネタバレになることはないと考えているが、人によってはそう感じる人もいるかと思われるので、そこは了承のうえで読み進めてほしい。
競争成績は、3歳時の4レース目まで無敗で、デビューから4連勝。
そのまま満を持してG1レース皐月賞へ挑み、そこでも勝利。
そして、アニメ第一話で取り上げられる「日本ダービー」に挑む。
G1の2レース目だったが、無敗の勢いのまま勝利。
ついにG1レースでも2連勝。
連勝記録は6連勝までいった。
そのままガンガン連勝街道…となるはずが、
その日本ダービー後、骨折が判明。
全治6カ月となり、その後のG1菊花賞は絶望的に。
次の年、5歳時(1992年)に大阪杯にて復帰し、連勝記録を伸ばすものの、天皇賞(春)では5位と振るわず。
そのまままた骨折となり、半年レースに出れず。
その後復帰戦の天皇賞(秋)ではボロボロの7着。
次のジャパンカップでこそ1位を取り意地を見せるものの、
そのあとの有馬記念で11着で、また骨折。
G1G2、3レース含めたデビュー7連勝の栄光はどこへやら。
骨折を繰り返し、もはやトウカイテイオーは復活しても勝てそうにない。
そんなファンの落胆を横目に、トウカイテイオーは一年しっかり休養の上、脚を直し、トウカイテイオーは人生(馬生?)最後のレースとして、1年越しで有馬記念に出場した。
そのレースでは4番人気であった。
ファンも元々の人気から、注目こそはしてはいたものの、
昨年の有馬記念は11着。しかも長期休養明け。
それまで、長期休養明けのG1レースで結果を残したウマはおらず、
ほとんどが10~13着あたりと散々な結果になっていることがほとんどであった。
当時の雰囲気までは私もわからないが、「記念馬券」的な意味合いも大きかったのではなかろうか。
そんな中で、下馬評を覆し、トウカイテイオーは勝った。
第4コーナーで中段5~7位あたり。
「トウカイテイオーがきたっ!」
その実況の声は驚愕の声だったに違いない。
1番人気はそれまで1位か2位しかとったことのない最強のウマ「ビワハヤヒデ」
直近のG1菊花賞でも1位。
第4コーナーを終わって最後の直線にビワハヤヒデがメジロパーマーとが競って入っていく形。
完全に下馬評通りであった。
その後ろから上がってきて、追い上げてきたのがトウカイテイオー。
メジロパーマーを置き去りにし、すさまじい末脚を見せるビワハヤヒデに追いすがるトウカイテイオー。
「トウカイテイオー!トウカイテイオー!ダービー馬の意地を見せるか!トウカイテイオー!」
「トウカイテイオー!奇跡の復活!」
有馬の直線は短い。
その最後の直線200m。
すさまじい競り合いを見せたトウカイテイオーは、奇跡の復活を遂げ、中364日でのGI勝利は長期休養明けGI勝利の最長記録となり、30年近く経つ今でもこの記録は破られていない。
当代一流の名馬たちをもってしても打ち破ることができなかった”有馬記念休養明け勝ち”の壁を乗り越える馬が現れるのは、『ダービースタリオン』上でのことだけだと思っていた。今も全国中で、サクラチトセオーやトウカイテイオーのような戦歴の馬がモニター内を駆け回っていることだろう。しかし、それはどこまで行ってもフィクションであり、決して現実では起こり得ないという安心感があったのである。
競馬が『ダービースタリオン』化してきたのか、『ダービースタリオン』があまりによくできているのか。私にはどっちだかわからない。
(一部略)
成沢大輔(ゲームライター)
長年の競馬ファン達でさえ信じられないような光景がそこには広がっていた。
その後、競馬場にあふれる「テイオー」コール。
競馬場は、伝説の復活を遂げたトウカイテイオーをたたえる声であふれた。
競馬人生最後の試合で、最後の最後でファンの期待に応えたトウカイテイオー。
今でも伝説として語り継がれている。
・アニメ2期の全貌(一部ネタバレアリ)
ここまで語ったらだいたいお分かりだろうか。
トウカイテイオーは6連勝するときまでは調子がいいし、
そこまでの評価で言えば、「元気な子だし、前向きで、特に悩みもなさそう」と言っても、まあ間違いではなかろう。
しかし、それからは圧倒的に挫折と敗北の長い馬なのである。
だから、めちゃくちゃに刺さる。
それまで元気いっぱいで、ニコニコしていた子が、ケガをきっかけに復帰にくじけそうになり、再度復活するも怪我。
怪我復帰しても勝てない。
その繰り返しで、だからこそアニメ2期での描写も『挫折』が圧倒的に多いのである。
そのギャップで死ぬ。
油断していたゆるゆるとした心にざっくりと、その重い重い挫折が刺さりまくって、めちゃめちゃに心揺さぶられてしまう。
怪我の中で、ライバルたちが活躍する中で無理に元気にふるまっているのが余計に刺さる。
『元気な子だなあ』
という印象は、あくまでも勝っていた6連勝の時までなのである。
だが、アニメは残酷なことに、ケガをするところからスタートし、
1期と打って変わって、『負け』と『リハビリ』の描写が圧倒的に占め、主人公がレースで勝つシーンが全くないのである。
僕は見る前のスタンスとして、完全に『負けやリハビリ、挫折は少ししか描かれないだろう』と思っていた。
それは1期の印象からでもあったが、アニメや作品の作りとして、負けっぱなしのハルウララならまだしも、有名な馬なら、勝ち→挫折→勝ちという形で、挫折はせいぜい全体の2割程度で収まるものと思っていた。
しかし、そこは原作(史実)通りに、残酷にも描いてきた。
そこの挫折が、『勝つためにとりあえず用意した形だけの挫折』などではなく、本当につらく長いざせつであったからこそ、その挫折の描写が説得力とリアリティにあふれていて、我々オタクの心に刺さるのである。
特にアニメ10話は必見である。
是非ともそこまでは見てほしい。
・トウカイテイオーを推せ
とりあえずトウカイテイオーを推してほしい。
トウカイテイオーという馬はマジで史実が最強にドラマチックであり、ウマ娘のアニメではそれをしっかりと描いている。
話を変に盛ったり、ご都合主義に合わせたりしていない。
トウカイテイオーは、史実を知り、アニメを見れば、圧倒的に深みが増す。
本来、アニメというのは、現実にあるものを抽象的にわかりやすく伝えるもので、ある程度脚色されているのが普通だが、そもそもの現実にあるウマがあまりにもドラマチックである。
だからこそ、死ぬほどハマってしまう。
正直4月4日18時~からの「ニコニコ動画 ウマ娘2期一挙放送」に間に合わせるつもりで記事を書いていたが間に合わなかった。
ただ、amazonプライムでは配信しているので見てほしい。
2期は全部配信している。
ハッキリ言って、最初数話見るだけでガンガンハマる。
そしてそのまま史実を摂取してほしい。
しかし、史実の本もだいぶ古くなってきており、価格が上がってきているため早めの入手をおススメする。
↑amazonリンクは軒並みバカ高い。
しかし、それぞれメルカリでなんとか2000円前後でどちらも入手できたため、amazonはちょっとぼったくり価格。
メルカリでも商品数は減ってきているため、今後の値上がりが予想されるため、早めに入手しておいた方が良いかと思われる。
トウカイテイオー沼は深い。
是非ともこれを機に、トウカイテイオーを知って、摂取しよう。
筆者は競馬史全く知らないところから2か月でこうなった。
君たちも是非とも競馬を知り、トウカイテイオー沼にハマろう!!