言葉は水物、すぐに死ぬ

月間10万PVありがとう。Twitterの話題を中心に「ちょっとこれ、どうなんだ」というネタに切り込んでいきます。      言葉が死ぬ前に、残しましょう。

文系が化学の怪しさを検証するにはどうすればいいか~次亜塩素酸水~

使いたいときにどこでも生成!次亜塩素酸の除菌力(★※1)を携帯しよう! 次亜塩素酸 携帯除菌スプレー DL-SP006 アルコール不使用 ★すべての菌に効果があるわけではありません。

 

TLにこんなものが流れてきた。

僕自身も、以前から「次亜塩素酸水ってそんなにいいものなんだっけ?」となんとなく「次亜塩素酸水=アヤシイ」という考えをふわっと覚えていたので、怪しみながら読んでいたら、案の定コメント欄やリプライ欄は次亜塩素酸水への批判でいっぱいだった。

 

でもそもそも、次亜塩素酸水って何がアヤシイんじゃ?ということをさっぱり忘れてしまったし、そもそもよくわかっていない。

ただ僕は化学に詳しくない。が、化学に詳しくない人間が調べられる範囲で、何が問題で何がいいのか?ってことを改めて考えてみようと思う。

 

※注意

ここにある情報はできるだけ信頼できる(=科学的知識の浅い人でも集められる)情報をもとに記事を作成しております(省庁からの告知、国際機関からの情報など)。

国際機関・省庁への批判などの高度なことを行える科学的知識は持ち合わせていません。

あくまでも「科学的知識がない時に、じゃあどうやって調べればいいのか?」という観点でご参考ください。

明らかな化学や現状に認識への誤解・認識違いは、指摘があった場合即座に訂正いたします。

 

 

厚生労働省

まずはコロナ感染症ならば厚労省のサイトだろう、ということで厚生労働省のサイトへ。

www.mhlw.go.jp

すると…。

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あれあれ。厚労省が次亜塩素酸水を勧めている。

いいのかこれ。

でも、ただし「モノ」に対してのようで、手指に使わないでとの記載はある。

ともかく、いったんは厚労省は次亜塩素酸水の使用事態についてはOKの認識のようだ。

あとは、「次亜塩素酸ナトリウム」との違いがしきりに記載されており、

そこを混同しないようにしておかなければならない。

(使用はOKといいつつも、モノに対してだけであり、手指は×)

 

そしてよくよく見ると同じページにこんなファイルが。

「次亜塩素酸水」を使ってモノのウイルス対策をする場合の注意事項

https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-4.pdf

 

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全然使い方イメージ違うやん。

完全にモノに向けて使うものですね。

特に

・できるだけ触れないように

・空間噴霧はしないように

がかなり強調して書かれている。

最後には「空間噴霧より喚起がいいよ」と念押ししているぐらいに。

 

消費者庁

消費者庁の反応はどうか。

先の資料を連名で出しているのはもちろんのこと、

以前、確か同様にアヤシイと言われていた「クレベリン」に対して是正を促しており、使用をするなと消費者庁が言ってなかったっけ、と思い出したからだ。

それこそ、空間噴霧というか、空間除菌に対する是正だったと思う。

 

www.nikkei.com

(2014年3月27日 “二酸化塩素を利用した空間除菌を標ぼうするグッズ販売業者17社に対する景品表示法に基づく措置命令について。 消費者庁のPDFは既にリンク切れで消えていたため日経記事で代用)

 

で、次亜塩素酸水についての指摘は…。

 

「次亜塩素酸水」の使い方・販売方法等について(製造・販売事業者の皆さまへ)
令和 2 年 6 月 26 日現在

https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-5.pdf

 

あった。先の経産省厚労省消費者庁の連名の次亜塩素酸水の情報出した時と同じ日っぽい。

 

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なるほどなるほど。

濃度と、事前に汚れを撤去することが非常に重要みたい。

そもそも、最初にあげたパナのスプレータイプだと気軽に使えるようなイメージに見えてしまうが、これを読み込む限りでは、どうやらそうではないようだ。

 

 

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やはり常に強調されているのは、

「空間噴霧をしないこと」である。

次亜塩素酸水を加湿器で広げるなど、そういった利用方法を行わないように気を付ける必要があるとのことである。

しかし一個気になるのが。

『スプレーで手元に吹きかけるような動作は含みません』

ほう。

じゃあそもそも、スプレーとして利用すること自体は問題ないってことなのかな?

 

 

ともかく、「次亜塩素酸水ってよくわかんないけど怖いなあ~いいのかなあ~」レベルのアホな僕でもいったん今の資料で分かったことをまとめると

 

・次亜塩素酸水自体の利用は問題ない

・ただしモノに対してであり、人体や空間に対して有効なものではない

・濃度や条件が厳しく、次亜塩素酸水であればなんでも安易に効く…というものではない

 

 

③該当のPanasonic商品は問題ありか

さて、それではある程度マシな知識がついたところで本題に行こう。

 

panasonic.jp

 

該当の商品ページである。

さて、先に紹介した消費者庁のページに、良い情報があったのでそれを参考にしながら確認していこう。

 

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順に確認していこう。

以下がPanasonic当該商品の詳細スペックページである。

 

次亜塩素酸 携帯除菌スプレー DL-SP006 詳細(スペック) | 除菌商品 | Panasonic

 

特に重要なのはppm(濃度)だろう。散々指摘がなされている部分だ。

 

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40ppm”以上”らしい。ずいぶんあいまいだな。

ここでさっきの消費者庁からの次亜塩素酸水についての資料に戻る。

 

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うーん?

これでいうと、40ppm以上でも、80ppm以下だと「流水でかけ流す」必要がある。

しかし、今回の該当商品はあくまでもお手軽に外出時にサッと使えることがメインのはずだ。

流水でかけ流すことは想定していないだろう。

そもそも、「40ppm以上」ということは、80ppm以上になることが保証されていない。

 

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一応、そういった指摘も考えてか、実験結果は掲載されている…と言うのと

 

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あれ?????

「次亜塩素酸水」ではないのかあ?????

またかなりややこしくなってきた。

 

次亜塩素酸 携帯除菌スプレー DL-SP006 取扱説明書 | 除菌商品 | Panasonic

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また、取り扱い説明書には濃度の記載があった。

最高200ppmなら、汚れがひどい時にも落ちる濃度ではある。

ただ、そこの幅が大きいのがちょっと気になるところ。

 

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あと説明書には当然ながら、人に向けて用いるなという旨の記載はあった。

 

今のところ納得いかないのは

・「次亜塩素酸水」とはちょっと違うよ~というならじゃあお前はなんだ

・濃度、ハッキリわからんの大丈夫なん?

と言うところ。

 

ここで確か最初に「次亜塩素酸水ナトリウムと次亜塩素酸水て違うで~~」ってしつこく言ってた厚労省のページを思い出した。

 

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なーるほど?

phを調整したら次亜塩素酸ナトリウムから作れるらしい。

んで、なのでそれよりもphは8.5で「弱アルカリ性」らしいので(説明書より)、今回のPanasonicの次亜塩素酸は、厳密には「次亜塩素酸水」のように酸性ではないから、ちょっと違うよ~~ってことみたいだ。

そうすると濃度も違うから、さっきの消費者庁の実験も当てはまらない可能性はある。

 

「本資料で言う「次亜塩素酸水」は次亜塩素酸を含む酸性の溶液のことを言います。」

 

(先に引用した資料より。「次亜塩素酸水」の使い方・販売方法等について(製造・販売事業者の皆さまへ)
令和 2 年 6 月 26 日現在

https://www.meti.go.jp/press/2020/06/20200626013/20200626013-5.pdf

 

うーんやっぱりそうだ。

そもそも、今回の商品は弱アルカリ性なので、次亜塩素酸水の濃度の基準など、先の消費者庁の指標通りには当てはまらない可能性大だ。

 

また、今回の商品は

電解質である(生成方法の記載)

・生成後4時間で効果が薄れる(生成後の効果期間、次亜塩素酸水濃度がどれくらい薄まるかの記載)

・phの記載

→それに伴い、次亜塩素酸水ではなく「弱アルカリ性の次亜塩素酸」であることの記載

・人体使用を推奨しない旨の記載

(イメージ画像などに人体使用イメージはなし)

・加湿器での使用などを推奨するイメージなし

 

と、今のところ問題はないが…。

 

しかし、やっぱりどうも、「じゃ、Panasonicのは安全だねっ!」と言い切れないモヤモヤは残る。

 

もやもやの正体はなんだろうか。

 

・次亜塩素酸水自体がそもそも理解が難しい、世間的に理解されていない

・たくさん資料のある「次亜塩素酸水」でなく、「次亜塩素酸」であり、それに対する除菌効果に関する資料が少なく、検証のしようがない。

 

結局、今のところ消費者庁からも、もともとの「次亜塩素酸水自体は、アルコールと使用を誤認するから、販売するな」という話は言っておらず、元々次亜塩素酸水自体は大手を振って販売していいものだ。

これを調べる中で消費者庁から行政処分を受けた次亜塩素酸水の情報もあったが、基本的に成分表示を偽っているものがメインであった。

次亜塩素酸水の販売事業者6名及びアルコールスプレーの販売事業者1社に対する景品表示法に基づく措置命令について | 消費者庁

 

そもそも、最初の厚労省の資料にもあったように(ナトリウムとの違いを記載した資料)、元々次亜塩素酸水自体があまりにも広義すぎるというところはあると思う。

安易に素人が手を出せる商品ではないのでは…。というのをまず思った次第である。

かつ、「次亜塩素酸水」という名前自体が一人歩きしており、ちゃんと「モノにしか使えない」という一般的認知が広がっていないという印象(主観だが)は残る。

そういった面で、文系バカからしたら、そもそも次亜塩素酸水自体に「アヤシイ、怖い」という印象があるんじゃなかろうか。

 

そして、次亜塩素酸水でさえよくわからんのに、ここに「次亜塩素酸」が出てきたもんだから、なおさらわからーん!となっているのが現状である。

 

先にも上げたように、私は文系である。

今ある最大限の資料から、わかるように調べた結果、ここで行き詰まった。

 

僕の主観で言えば、

「ph表示やら、次亜塩素酸濃度の記載やら、濃度低下時間の記載やら、基本に忠実に情報は記載しているから、その姿勢を見るに問題ないとは思うけど」

という感じでとどまるぐらいだろうか。

 

うーんうーん、でもアルカリ性になっただけで、ヒタヒタに浸さないでよくなるもんなんだろうか…うーんでも独自に実験はしているし…うーん。

 

Panasonicの姿勢自体は問題ないとは思うんだけど…。

過去にシャープはプラズマクラスター関連で行政処分不当景品類及び不当表示防止法違反(優良誤認)で再発防止を求める措置命令)は出ているが、Panasonicはこれ(除菌や殺菌関連における優良誤認事例、あるいはその疑い)については今のところ出ていない…と言ったところを見て「信頼に足る」とすべきなのか。

 

ここまで書いておいて、なんとも煮え切らない回答で申し訳ないが、少なくともこれが文系が至れる情報の限界である。

この情報では、とても「うん、オッケー!」とか「うん、違うわ!」とか無責任な言い切りを記載することはできない。

ただ、化学知識ゼロの人間が記載したものなので、同じく化学知識のない人間には参考になると思われるので、どうか参考にし、この商品が怪しいか?怪しくないか?と断じる上での参考にしてほしい。

 

少なくとも、一発で「これはアウト!!」と言い切るもんではないかな、と言うところだと思う。

 

以上!!!!!!!!